Kesako Unkai

¡Salud!

ムカシノ・ハナ氏 5

 

〈そういえば、「昔、アジアぶらり旅でこんなことがあった」と過去の体験をさっとまとめただけのブログをとりあえず数回やってみようかしら、と思ったことがあった……ムカシノ・ハナ氏  5〉

 

 

昔、タイで。

 

バスでチェンライからメーソートへ移動。

 

バスには運転手のほかに女性従業員も乗っていました。

 

その女性従業員がなんとなく浅香唯さんに似ていて、笑顔がステキでした。

 

その笑顔を見てすぐ、浅香唯さんの代表曲「セシル」が私の脳内に流れてきてニヤニヤ。

 

♪人は大人になるたび 弱くなるよね

 

だよね。

 

そんな流れで、私は彼女を「セシルさん」と勝手に命名。

 

で、チェンライを出発したバスは、途中チェンマイで停車し、乗客のほとんどがそこでバイナラ。

 

私はチェンマイで数日間過ごしたことがあったので、今回はスルー。

 

で、メーソートまでの乗客はチェンマイでランチ休憩。

 

セシルさんはバスターミナル内の時計を指差し、バスの出発時間を教えてくれました。

 

♪きっと誰でも一人は 味方がいるの

 

きっといる。

 

食後、バスターミナル内のイスに座りテレビを眺めていたら、セシルさんが私を手招きし、早く来なさいと。

 

素直に彼女の後ろについて行き、乗客が減ったガラガラの車内へ。

 

後部席に向かおうとしたら、セシルさんが「だめ。私の後ろの席に座りなさい」と笑顔で指示。

 

私はやはり素直に着席。

 

その後、車窓をただ眺めているうちにメーソートに到着。

 

セシルさんとはあっさり別れて、私は歩いて宿探しへ。

 

これ以上長く一緒にいると、きっと別れにくくなる。

 

そう、これでいいのだ、と。

 

♪だから友達以上の 愛を捜すの

 

特に何もなかったけど、セシルさんの笑顔はずっと記憶に残っています。

 

コップン・クラップ(ありがとう)。

 


(おわり)