Kesako Unkai

¡Salud!

ムカシノ・ハナ氏 8 終

 

〈そういえば、「昔、アジアぶらり旅でこんなことがあった」と過去の体験をさっとまとめただけのブログをとりあえず数回やってみようかしら、と思ったことがあった……ムカシノ・ハナ氏  8 終〉

 

 

昔、インドのコヴァラムビーチで。

 

海のすぐ近くの宿(1棟ずつ独立、トイレ・シャワー付)に7連泊。

 

初日、宿の前の砂浜に座って海を眺めていたら、果物売りのお母さん(勝手に命名「ヒマワリさん」)が話しかけてきました。

 

「バナナとマンゴー買ってよ。マンゴーは皮をむいてあげるよ」と。

 

そんなに高くないので、すぐにオーケーサイン、買いました。

 

小さめのバナナ1房はヒマワリさんにも分けてあげて、一緒にモグモグ。

 

また、ヒマワリさんがナイフでマンゴーの皮をむいて食べやすく切ってくれました。

 

マンゴーも分けて一緒にモゴモゴ。

 

そのあと、おしゃべり。

 

ヒマワリさんには夫と子ども5人がいる、と。

 

ヒマワリさんは何かの病気のため体力がなく、たくさんの果物を頭の上にのせて歩けないので、キャリーバッグ2つに果物を入れて運んでいるのよ、と。

 

そんなおしゃべりを英語で交わしていたはずでしたが、なぜか日本語で話していたような記憶があります。

 

言いたいことや気持ちが通じていたからかもしれません。

 

で、ある日、ヒマワリさんの姿が見えませんでした。

 

なにかあったのかしらと心配。

 

その翌日、ヒマワリさんは少し疲れた顔でビーチに到着。

 

体調がよくなかったので仕事は休みにした、と。

 

あらやだ、無理しないで。

 

そんなおしゃべりしているとき、別の果物売りのお母さんが来て「スイカを買ってくれる?切ってあげるよ」と。

 

来るもの拒まず、スイカを1/4買って、3つに切ってもらい、それを果物売りお母さん2人にも分けてあげて、3人で仲良くモギャモギャ。

 

そんなこんながあって、最終日。

 

ヒマワリさんに「明日出発します」と伝えると、「だったらバナナ1房買ってよ。最後なんだから」とオシオシでリクエスト。

 

1日で食べ切れないと思ったので、バナナ1房の半分以上をヒマワリさんにあげて、一緒にモガモガ。

 

その日の夕方、帰宅するヒマワリさんの手伝い。

 

ビーチから道路までキャリーバッグを運んであげて、笑顔でシーユーアゲイン。

 

現在、ヒマワリさんの全体像の記憶はぼんやりしていますが、おしゃべりしているときの彼女のはにかんだような笑顔と身振り手振りはまだ覚えています。

 

ダンニャワード(ありがとう)。

 


(おわり)